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いくつ知っている?
覚えるとためになる仏教ことわざ

2019年04月18日

 

先人から言い伝えられてきた知恵を、

誰にでもすぐに覚えられる簡単な言葉で教えてくれる「ことわざ」。

そんなことわざには、実は仏教の教えと関係のあるものが、

意外とたくさんあります。

ここでは、「馬の耳に念仏」や「仏の顔も三度」をはじめとして、

一度は聞いたことのあることわざと仏教の関係についてお伝えします。

 

仏教ことわざとは?

 

仏教の教えには少し難しいイメージがあるかもしれません。

しかし、古くから日本に伝わる仏教の教えは、

現代でもよく使われることわざになっているのです。

仏教を信仰していなくても、

もしかしたら仏教由来のことわざを使っているかもしれません。

そんな仏教ことわざは、ほかのことわざと同じように、

誰もが理解できる親しみやすい内容となっています。

また、一般的によく使われていることわざが、

意外にも仏教の教えと深い関わりがあるケースも珍しくありません。

ことわざを通して、仏教の教えを知る入り口にしてみたら、

楽しみながら学べるのではないでしょうか?

ここからは、有名な仏教ことわざの一例をご紹介していきます。

身近にあることわざを通して、

改めて仏教の学びを深めてみましょう。

 

有名な仏教ことわざ

 

・一蓮托生…

運命をともにすることを指します。

死後に極楽浄土の同じ蓮華の上で生まれ変わるという、

日本の仏教の考え方が元になっています。

 

・牛に引かれて善光寺参り…

自分の意思ではなく、

思いがけないご縁から良い方向へと導かれることを指します。

牛を追いかけた老婆が、偶然に長野県の善光寺にたどり着いた結果、

信心が生まれたという話が元になっています。

 

・馬の耳に念仏…

言い聞かせても価値がわからず、無駄であることを指します。

馬に仏教の教えである念仏を聞かせても、

ありがたみがわからないと例えられています。

 

・三人寄れば文殊の知恵…

平凡な人間でも、3人集まって協力すれば良い知恵を出せるという意味です。

「文殊」というのは、

仏教で智慧をつかさどる存在である「文殊菩薩」のことを指します。

 

・地獄で仏…

「地獄で仏に会ったよう」とも言います。

地獄のように恐ろしくて困難な状況の中で、

まるで仏様のようにありがたい救いに出会うことを指します。

 

・釈迦に説法…

あるものを知り尽くした人に対して、

それについて教えようとする愚かさのことを指します。

「釈迦」とは仏教の開祖であるお釈迦様のことで、

「説法」とは仏教の教えを説くことです。

 

・知らぬが仏…

知らずにいればまるで仏様のように穏やかでいられることを指します。

または、ある事情を知らずに穏やかでいる人の様子を、

あざけてこのように言う場合もあります。

 

・袖振り合うも多生の縁…

人間同士のご縁には深い因縁があるという仏教の考え方から、

袖が触れ合う程度のちょっとした出会いであっても、

前世からの因縁があることを指します。

どんなご縁も大切にするべきいう意味です。

 

・坊主憎けりや袈裟まで憎い…

ある人を憎むとき、

その人に関係のあるものまで憎んでしまうことを指します。

「坊主」とは僧侶のことで、

「袈裟」とは僧侶が身につける特殊な衣服のことです。

 

・仏の顔も三度…

まるで仏様のように穏やかで慈悲深い人でも、

三度も顔を撫でられれば腹を立てるというたとえ話です。

 

少し意外な仏教ことわざ

 

・以心伝心…

禅宗の仏教用語が元になっています。

仏教の教えを師が弟子に伝えるとき、

言葉ではなく心で伝えることを指します。

そこから、言葉がなくても心が通じ合う様子を意味することわざです。

 

・一期一会…

生涯に一度限りの、二度とない機会のことを指します。

茶道から生まれたことわざで、

お客様を大切におもてなしする心が説かれています。

「一期」という言葉の元は仏教用語であり、

人が生まれて死ぬまでの「一生」という意味です。

 

・嘘も方便…

時と場合によっては嘘が必要となることを指します。

「方便」という言葉は仏教用語です。

衆生を仏教の教えへ導くために行われる、

巧みな方法のことや、便宜的な方法のことを意味します。

 

・有頂天になる…

気分が舞い上がり、得意になっていることを指します。

「有頂天」とは、

仏教において形ある世界の最高位にある神様

「色究竟天(しきくきょうてん)」のことです。

 

・果報は寝て待て…

人間の力が及ばない幸運の訪れは、

自然とやって来るまで待つしかないという教えです。

「果報」という言葉は仏教用語で、

前世の行いにより現世で生じる報いを意味しています。

 

・法螺を吹く…

大きな嘘をつくことや、でたらめを言うことを指します。

かつては仏教の説法をするとき、

たくさんの人を集めるために法螺貝を吹いていました。

 

仏教ことわざをもっと知るために

 

有名な仏教ことわざの一例をご紹介しました。

このほかにも多数の仏教ことわざが存在しています。

また、一部に仏教の教えと関わりがあることわざも、

数えきれないほどたくさんあります。

さらに多くの仏教ことわざを知りたい方は、

市販されている仏教ことわざの書籍や辞典を読み、

学びを深めてみてください。

 

***

 

私たちの身近に仏教の教えがあることを知るきっかけとなる仏教ことわざ。

今回ご紹介した仏教ことわざは、ほんの一例に過ぎません。

よく使うことわざをきっかけに仏教への興味を持ったら、

ぜひ仏像をはじめその他の仏教文化に触れてみましょう。

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