暗闇で仏様と縁を結ぶ「胎内めぐり」「戒壇めぐり」のススメ
2019年07月05日
お寺で行われる「胎内めぐり」や「戒壇めぐり」とは、
一体どのような修行なのでしょうか?
暗闇のなかをしばらく歩くと、
ふたたび光のある場所へ戻ってきたときに、
見える世界が変わるかもしれません。
今回は、胎内めぐり・戒壇めぐりの特徴や意味、
修行ができる代表的な仏教寺院をご紹介します。
胎内めぐり・戒壇めぐりとは?
仏教寺院の中には「胎内めぐり」や「戒壇めぐり」が行われているお寺があります。
その数は日本全国に50カ所以上ともいわれているため、
仏女のみなさんはどこかのお寺で見かけたことがあるのではないでしょうか?
「胎内めぐり」とは、仏像の胎内などの狭い場所をくぐる修行のひとつです。
もっとも有名なのは京都府にある清水寺の胎内めぐりでしょう。
「戒壇めぐり」とは、仏堂の縁の下などを歩く修行であり、
仏名を唱えながら暗闇のなかを進みます。
長野県にある善光寺の戒壇めぐりがとりわけ有名です。
多くの胎内めぐりや戒壇めぐりでは、
暗闇のなかを歩くことになります。
どれくらいの暗さかといえば、
すぐ目の前にあるものがまったく見えなくなるほど。
そのため、回廊では壁や手すりに触れながら、
視覚以外の感覚を頼りに進むしかありません。
たとえ明るい真昼であっても、
修行が行われる回廊は暗闇になるため、
心の準備をしておきましょう。
もしかしたら、暗闇を歩くことへの恐怖心から、
これまでにチャレンジを諦めてしまった仏女の方もいらっしゃるかもしれません……。
まるでお化け屋敷のようで怖いと感じるかもしれませんが、
胎内めぐりや戒壇めぐりは、
お寺で行われる修行のひとつです。
挑戦できる機会があれば、
ぜひ真面目な気持ちで取り組んでみてください。
仏教の修行で暗闇のなかを歩く意味
善光寺をはじめとした戒壇めぐりが行われている寺院では、
一般的に御本尊の真下に「御錠前」があり、
これに触れることで仏様とご縁を結ぶという意味合いがあります。
御錠前は仏様の分身です。
暗闇のなかを歩く戒壇めぐりでは、
御錠前を目で見ることができないため、
手で触れることでご縁を結びます。
慣れない暗闇で御錠前を探すと、
私たち衆生は雑念から離れて儀式に専念し、
仏教の世界に入りやすくなると考えられています。
光のある世界を一時的に離れ、
自分自身と向き合える修行の場。
仏女のみなさんも、
そんな修行を通して仏教の教えを全身で体感してみてはいかがでしょうか?
胎内めぐり・戒壇めぐりができる代表的な寺院
国内で胎内めぐり・戒壇めぐりができる代表的な寺院をご紹介します。
お寺を参拝する機会があれば、
ぜひ暗闇のなかでの修行に挑戦してみてください。
清水寺(京都府)
京都府にある音羽山清水寺は、
観光スポットとしても人気の高い寺院です。
“清水の舞台から飛び降りる”ということわざにも登場する、
本堂からの美しい眺めには定評があります。
胎内めぐりができる場所は、
境内にある「随求堂」というお堂です。
善光寺(長野県)
戒壇めぐりといえばまず名前を挙げられるのが、
長野県にある善光寺です。
戒壇めぐりの入り口は本堂の奥にあります。
ここから暗闇の回廊に入り、
秘仏である御本尊のちょうど真下にある御錠前に触れることで、
仏様とのご縁を結びます。
関善光寺(岐阜県)
岐阜県にある関善光寺では、国内で唯一の「卍」型の珍しい戒壇めぐりを体験できます。
かつて僧侶の修行のために作られたといわれる回廊の全長は49m。
仏教では人間が成仏するまでの期間が49日といわれますが、
これになぞらえているようです。
元善光寺(長野県)
長野県にある元善光寺には、
誰でも無料で体験ができる戒壇めぐりがあります。
本堂の外陣に入り口があり、
ほかの寺院とは異なり履物を脱がずに回廊に入れるため、
初めての方でも安心できるのではないでしょうか?
善光寺東海別院(愛知県)
愛知県にある善光寺東海別院では、
2018年3月に改装されたばかりの、
極楽浄土のように美しい戒壇めぐりを体験できます。
本堂の回廊を巡ると、
御本尊の真下に黄金に包まれた空間があり、
数々の仏像が立ち並んでいます。
参拝の折に御本尊とご縁を結びましょう
御朱印集めなどで全国各地のお寺へ足を運ぶ機会があれば、
胎内めぐりや戒壇めぐりにチャレンジし、
擬似的に生まれ変わる体験をしてみましょう。
暗闇を抜けてふたたび光が見えたとき、
これまで当たり前にあった世界の見え方が、
少し変わるかもしれません。
仏教の教えを学ぶ方法はさまざまです。
ぜひ仏教寺院にある学びのチャンスを活用してみてください!
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仏教の教えに触れる旅を、
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暗闇の回廊を視覚に頼らずに歩く修行である「胎内めぐり」や「戒壇めぐり」。
有名な清水寺や善光寺のほかにも、
全国各地にユニークな体験ができる寺院があるため、
ぜひマイ仏像と一緒にお出かけしてみましょう!
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