仏像が蓮の花に座っているのはなぜ?仏教と蓮華の関係
2019年02月23日
仏像が蓮の花に座っていることがよくあります。
蓮は仏教と関係の深い植物であり、仏教の教えを表しているとも言われ、
よくモチーフとして取り入れられています。
こちらでは、そんな蓮という植物の特徴や、仏教との関係についてお伝えします。
仏教とゆかりのある蓮とはどんな植物?
蓮は仏教とゆかりのある植物です。
そのため、仏像のなかにも蓮の花の上に座るものが多く見られます。
たくさんの花びらをつけた、大きな蓮に座る仏像の姿は、
たいへん優美であり魅力があります。
蓮という植物の特徴として、7~9月の夏頃に、
柔らかなピンク色・白色・黄色の花を咲かせることが挙げられます。
花は早朝の時間帯に開きますが、昼頃には閉じてしまうため、非常に短命です。
葉には独特の撥水性があり、水をはじく様子が見られます。
これは「ロータス効果」と呼ばれ、葉の上の水分は水玉になります。
蓮が生息しているのは、沼など水のある場所です。
蓮はこの水の底に根を張り、水面に葉を出して、花を咲かせます。
植物の高さは50~100cmにも達します。
蓮の根の部分は、野菜のレンコンです。
食用としてもよく知られており、
根のほかにも葉や芽の部分が食用に用いられることがあります。
蓮の原産国は、仏教やヒンドゥー教が生まれた国である、インドです。
仏教やヒンドゥー教では、蓮が象徴として用いられることが多くあります。
仏像や仏画でもよく蓮が描かれています。
インドにおける蓮は、国花としても親しまれている植物です。
そのほか、日本・中国・オーストラリアにも生息しています。
仏教と蓮華の関係
仏教の教えでは「泥中の蓮華」と呼ばれることもある蓮。
そんな蓮という植物の特徴は、水中の泥に根づいて、
水面より上に美しい花を咲かせることです。
このように、不浄である泥の中から芽を出し、
真っ直ぐに茎を伸ばして優美な花を咲かせる様子から、
蓮は仏教の教えの象徴としてとらえられています。
また、蓮は極楽浄土に咲いている花としても信じられています。
仏像では、台座に蓮のモチーフが取り入れられることがよくありますが、
蓮台に複数のパーツが合わさった豪華な台座は「蓮華座(れんげざ)」と呼ばれるものです。
蓮は仏教の発祥地インドの国花であり、
両者は古くから深い関係にあることがわかります。
蓮の花言葉には「神聖」や「清らかな心」などがあり、
仏教やヒンドゥー教で神聖とされている植物に相応しい言葉が添えられています。
日本においてはお盆などの仏教行事で、
地域によってレンコンや蓮の葉を使った料理が出されることもあるようです。
インドだけでなく、日本でも仏教との関係性が見受けられます。
蓮と睡蓮の違いとは?
蓮とよく似た植物に「睡蓮(すいれん)」があります。
蓮と睡蓮は、どちらも水の上に花を咲かせる植物であり、
花や葉の形までよく似ています。
一見すると同じ植物に見えるかもしれませんが、実は異なるものです。
たとえば、蓮の花は水面よりも高い位置に咲きますが、睡蓮の花は水面に咲きます。
これと同様に、蓮の葉は水面よりも高い位置まで伸びますが、睡蓮の葉は水面に接しています。
蓮の葉には水を弾くロータス効果がありますが、睡蓮の葉は水を弾きません。
蓮の葉は円形をしていますが、睡蓮の葉には一部切れ込みがあります。
蓮は食用として用いられていますが、睡蓮は食用としては向きません。
なお、蓮と睡蓮を合わせた呼び方が「蓮華」となります。
区別をするのが難しい植物ですが、それぞれの特徴を踏まえて比べてみると、
違いがわかりやすくなります。
蓮に座る美しい仏像たち
仏像ブランドのRIYAKにも、蓮華座に乗った美しい仏像があります。
蓮華座に乗ることができるのは、基本的に如来と菩薩です。
場合によっては明王が蓮華座に乗ることもあります。
蓮華座は豪華な作りの台座であり、仏像に気品をもたらしています。
ここでは、蓮に座る美しい仏像の一例をご紹介します。
如意輪観音
きらびやかな装飾品を身に着け、優美な姿で座している如意輪観音像は、
6つの腕に宝珠と法輪を持ち、蓮華座に乗っています。
6本の腕は、人間が輪廻転生するといわれる6つの世界(六道)から、
すべての人を救うためにあると伝えられています。
人々を救うために思惟されている、悩ましくも美しい姿が魅力の仏像です。
リンク:http://riyak.jp/lineup/nyoirinkannon/
五大虚空蔵
5体の虚空蔵菩薩像は、それぞれに守るべき方角があり、
白・黄・青・赤・黒紫という異なる色をしています。
蓮華座に乗って静かに佇む虚空蔵菩薩のご利益は、
頭脳明晰や成績・記憶力の向上であり、無限の智慧を授けてくださいます。
RIYAKの仏像には彩色済みのラインナップがあるため、
美しい色合いをお楽しみください。
リンク:http://riyak.jp/lineup/godaikokuzo/
馬頭観音
さまざまな姿に変身することで知られている観音菩薩ですが、
その中でも馬頭観音は険しい表情をたたえており、怒りを表しているといわれます。
馬頭観音は「六観音」のひとつとしてもその名を知られる、有名な姿です。
力強さを感じられる仏像ですが、蓮華座に乗っているさまはどこか優美でもあります。
リンク:http://riyak.jp/lineup/batokannon/
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仏教と関係の深い植物である蓮。
日本各地にも蓮が生息している公園などがあるため、
気になる方はぜひ早朝の花の咲く時間帯に、
鑑賞のために足を運んでみてはいかがでしょうか?
仏像の台座にも蓮のモチーフが取り入れられています。
RIYAKのインテリア仏像のラインナップを、ぜひ一度ご覧ください。
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