後継者不足、檀家離れ・・現代の寺院が抱える深刻な問題
2020年06月20日
仏教に関わる仏事業界では家族葬や直葬といった
葬儀の小型化、墓じまいや檀家離れ、宗教心の薄れなど
ネガティブワードばかりが目立ってきています。
『坊主丸儲け』なんて言葉も今は昔、
果たして現代の寺院の実態とは!?
日本にはどのくらいのお寺が存在するのか?
仏事業界では明るくないニュースが目立っていても、
国内で最も信仰されているのは仏教である事に変わりはありません。
仏教にも宗派は様々にありますが、
その仏教の教えを発信する場所は寺院であり、
そこにいらっしゃるご住職様です。
しかし、全ての寺院に住職がいらっしゃる訳ではありません。
『空き寺』とも呼ばれる無人の寺院、
日本国内には7万以上もの寺院が存在します。
しかし、その中の2万を超える寺院にて
住職不在の【無住寺院】化していると言われています。
また、現在は住職がいる寺院でも後継者不在の住職の高齢化で、
いつ空き寺になってもおかしくない寺院も少なくありません。
この後継者不足の問題は、特に地方で問題となっており、
都市への人口流出による檀家離れも大きな要因となっています。
さまざまな調査結果があり、
維持費も一律ではありませんので
あくまでも調査結果の一例ではありますが、
一般的に檀家が300軒を切ると寺院の維持が難しく、
住職専業での生活が難しくなっていくと言われています。
“坊主丸儲け”は今は昔。現代の住職の実態とは
寺院は基本的に、一軒一軒が独立した宗教法人です。
この宗教法人に対して『税金が掛からないから儲かる』
といったイメージを持っている方も少なくないと思います。
しかし、あくまでも宗教活動による法人税が非課税なだけで、
事業内容によりきちんと課税されていきます。
例えば、
お布施や御賽銭、境内で販売されるろうそくや線香などは非課税ですが、
この参拝の為に用意された駐車場が有料駐車場となると
課税対象になっていきます。
一般的に、“観光寺”と呼ばれる寺院ではなく、
檀家を募って運営されている
寺院の駐車場が無料の場所が多いのはその為です。
それでは、寺院の収入の実態とはどのようなものなのでしょうか?
曹洞宗が独自に調査した結果によりますと、
年収が500万円以下の低収入寺院が55%を占め、
過半数を超えてきており、これは地方の過疎地ほど
その割合が多くなってきているのが実情です。
また、複数の寺院を掛け持ちして維持をしている住職もいますが、
掛け持ちをすればそれだけ維持費がかさみますので、
現実は厳しいケースが多いとされています。
現在はお寺も生き残りを賭けたビジネス
このように、仏教発信の中心の場であるはずのお寺でも
深刻な問題があることがわかりました。
しかし、7万軒を超える寺院のポテンシャルに目をつけ、
すでにM&Aによる事業継承により、
新たな寺院の活用法も見えてきています。
寺院には【宿坊】という宿泊システムがあります。
これは元々修行僧や参拝者向けの宿泊サービスでしたが、
この宿坊は外国人観光客にとって
とても魅力的な宿泊システムだったのです。
新たに宿泊場所を開設すると様々な許認可が必要となりますが、
宿坊は平安時代から続く制度で、行政の規制も緩くなっています。
寺院に宿泊する事により味わえる非日常感は
他の宿泊施設では味わえないものである事は間違いありません。
一般の観光客を受け入れる事により、
その宿泊サービスも拡充している寺院も増えています。
露天風呂の設置、精進料理を安価で味わえる、座禅体験ができるなど、
そのサービスも多岐に渡りはじめ、
新たなビジネス展開の様相となってきています。
RIYAKの仏像で仏教をもっと身近に
木製インテリア仏像ブランドRIYAKでは、
仏像を通じて仏教をもっと身近に感じて欲しい
との思いが込められている為、
全国の仏壇店様を中心に代理店様を募っております。
好きな仏像が収蔵されているお寺に宿坊できたら、
気分は最高ではないでしょうか?
***
宿坊以外にも、様々な取り組みを始めた寺院があります。
元々、縁日と呼ばれるイベントも寺社仏閣で行われ、
人々が賑わう場所の中心でした。
全ての寺院が輝きを取り戻す事は難しいですが、
一つでも多くのお寺が存続していける事をRIYAKは願っています。
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